体がだるい。
頭がボーとする。
細かいこと考えるの面倒クサイ。
そりゃそうだ、熱があるんだからな。
減量後だしスタミナや免疫が落ちちまったか、とぼんやりする頭で考える。
「宮田くん、ちゃんと寝てなきゃダメだよ!」
更に頭が痛い。何でコイツがいる。いや、部屋に入れちまったのは俺だけど。
「宮田くん、水分摂らなきゃ!」
伝染るから帰れって言ったのに、何で嬉しそうな顔するかね。
「宮田くん、おかゆ作るよ!食べるよね!」
「・・・・・・・要らねぇ」
これじゃ眠れるもんも眠れねぇ。
「宮田くん、薬飲んだ?汗かいてない?大丈夫?」
「・・・・・うるせぇ。寝かせろ」
「あぅ、ごめんなさい」
その後は静かになった。俺は一息ついて目を閉じた。
これでようやく寝れると思い、誘われる眠気に身を委ねようとした。
だが気になる。
何だこの視線は。
やけに近くねぇか。
うっすら目を開けると、案の定幕之内がやたらニコニコして俺を見ていた。
俺は目で抗議する。無駄な気もするけど。
「えへ、だって勿体無いし」
何がだ。
「こんな宮田くんも色っぽいよね」
お前も熱あんじゃねぇのか。
「ボクはいつも宮田くんにお熱だけどね、えへへ。こんな宮田くん見てると興奮しちゃうな」
なんだそりゃ、お前の方が重症なんじゃねぇのか。
「きっとボクの方がその熱に浮かされてると思うけど」
恋の病ってやつか?
「宮田くんに出会えて良かった。ボクは幸せだよ」
何恥ずかしい事言ってんだ。
毎回毎回良くそんなことが言えるもんだ。
「・・・・うるさくして、ごめんね。お休み、宮田くん」
そう言うとおでこに軽くキスをした。
そのキスが気持ち良くて、俺は目を閉じて今度こそ眠りに落ちた。
end