『ワンポは見た!』


今日は一歩さんのお客さまが来てる。
一歩さんの『大好きな人』だ。
ボクも何度か会った事ある。
その人に会ってる一歩さんはとても嬉しそうで、ボクも嬉しくなる。
とても幸せそうで、ボクも幸せな気持ちになる。

二人は今一歩さんの部屋にいる。

遊んでもらえるかな。
ちょっと覗いてみよう。
何してるかな。

「み、宮田くん・・・」

中では一歩さんが『大好きな人』を抱き締めていた。
やっぱり嬉しそうだ。

ボクは二人の近くに行ってみた。


「・・・!・・・ま・・・まて・・・」

『大好きな人』がボクに気づいた。

「・・な、何?い、いいよね・・・・・」

「待てって!・・・い、犬が・・・」

「え・・・?」

一歩さんが顔を上げて、そしてボクと視線が合った。

「ワ、ワンポ!!」

「ワン!」

名前を呼ばれたので返事をする。

「あ・・・ワンポ、今イイトコロだから、あっち行ってもらえるかな?」

一歩さんはどこか気まずそうにしてる。どうしたんだろう?


「ワン!」

「ね、ワンポ。ちょっと席外してもらえると嬉しいんだけど・・・」

「犬にそんな事言っても分かんねぇだろ」

ボクは更に近くに寄ってみる。

『大好きな人』から一歩さんの匂いがする。

「こ、こらワンポ」

一歩さんからも『大好きな人』の匂いがする。

「・・・幕之内、一旦退いてくれ」

ボクは『大好きな人』の顔を舐めてみた。

「わっ、こらワンポ!それボクの役目だから!!」

「・・・幕之内、退いてくれ」

「ワンポ!駄目だってば!!」

もしかして一歩さん困ってる?どうすればいいかな・・・
取りあえず一歩さんの体に飛びついてみた。

「・・・・・・ワンポ・・・・宮田くん、このままでもいい?」

「いいわけねぇだろ」


きっと今日は遊んでもらえる!

楽しみ!




end